自分史Ⅳ

記事を一部書き直して再投稿しました。

スポンサーリンク

普通の子

親に嘘をつかれたあの日(自分史vol.3)から、一歩も外へ出ることはなく部屋で毎日過ごしていました。

家族との会話もほぼなかったのですが、ある日突然、母親が「(当時私が好きだったアイドルの)レコードを買ってあげるから一緒に出かけよう」と言ってきました。

出かけるのは嫌でしたが、レコードを買ってもらえるという嬉しさが勝ち、(母親は運転免許を持っていなかったので)父親の運転する車に乗りました。
外に出るのは本当に久しぶりでした。

自分で言うのもなんですが、根は素直なので(笑)『レコードを買ってあげる』という言葉に普通に喜んでしまいました。
車は、見たことのない建物の駐車場に止まりました。

「降りて」

どこについたのかもわからず、言われるがままに車から降りました。

レコード屋さんではないのは確かでした。

ついて来いと言われたので、だまって親のあとについて行き建物内に入り、とある一室に私ひとりだけ通されました。

知らない女の人がきて、いろいろ質問をしてきました。自分から進んで話はしませんが、聞かれたことにはちゃんと答えます。クレヨンで絵も描かされました。

「なんでも良いから描いてね」と言われたので女の子の絵を描きました。
全身の絵を描きたかったのですが、足先だけ紙からはみ出して描けなかったことを覚えています。どうして足を描いてないの?と質問されたことも覚えているのですが、そのときなんと答えたのかは記憶にありません。

何分くらい話をしたのか覚えていませんが(たぶん30分くらい)話をしたあと廊下で少し待たされ、今度は親も一緒に呼ばれ部屋に入りました。

さっき話をした女の人がいました。
私たちが席につくと、その人は開口一番

「お母さん、安心してください。娘さんは大丈夫ですよ。いたって普通の子です」

「・・・・・?」

この時点で、まだ自分の置かれている状況が理解できていなかった私。

自分で思ったことを言葉に出さない性格なので、「ここはどこ?」という疑問を持ちながらも親に聞くことはしませんでした。自分がどこにいるのか、何をされているのか分からないまま、知らない人にいきなり「あなたは普通」と宣言されたのです。

あとになって、そこが児童相談所だったと知りました。

児童相談所で『普通の子だから安心して』と、言われた親は安心できたかもしれませんが、私からすると『お前は普通じゃない(と思ったから相談に行った)と親に思われていたということです。

そういう目で見られていたのか…。

約束していたレコードは買ってもらえましたが、買ってもらえた嬉しさはもうありませんでした。

また騙された・・・

結果的にレコードは買ってもらえたので嘘をつかれたわけではありませんが、私が欲しがっていたもので釣って、黙って連れて行くという行為が許せませんでした。
『もう二度と車には乗らない』
『誘いにも乗らない』
『親は信じない』


頑なに家から…部屋からすら出ることを拒み、世間との接触を断った私を外に連れ出すための苦肉の策だったと思うのですが、逆効果です。

私は今でもこの当時のことはしっかり覚えています。そして、私が50歳になった今も親と一緒に外出することはありません。過去にも親子ふたりきりで買い物に行ったことはありません。

それくらい“親に騙された”(一度ならず二度までも)ということがショックだったのです。

後に笑い話として話せる嘘なら良いのですが、この時期に親につかれた嘘は取り返しのつかない親子間の軋轢を生むことになったのです。

現在は私が離婚して実家に戻ったため同居していますが、生活はすべて別々で言葉を交わすことも顔を合わせることもありません。

ブログランキング参加中

よろしければポチッとひと押しお願いします
   にほんブログ村 その他日記ブログ 50代女性日記へ
ブログランキング|にほんブログ村

自分史
スポンサーリンク
動きたくない五十恵さん

コメント