長く猫を飼っていますが、こんなことは初めてでした。
「最近食欲が無いな」と気づいたところから、病院・検査・内視鏡手術・帰宅後の様子までの備忘録。
毛球症
猫の胃の中にできた毛玉が胃の出口に詰まってしまい、内視鏡手術で取ってもらいました。
先生は分かりやすい言葉で説明してくれたので病名は言いませんでしたが、調べたら『毛球症』というようです。
毛玉(ヘアボール)は、猫が毛づくろい(グルーミング)をした際に、飲み込んだ毛が胃の中でもつれたり固まったりして、ボールやフェルト状になってしまったものです。
Petwell 猫の病気事典:猫の毛玉(ヘアボール)と毛球症 より
(中略)
毛球症になると、食欲の低下、吐き気、便秘などの症状が現れます。とくにペルシャなどの長毛種の猫や高齢・病気などで胃腸の動きが低下した猫でよく見られます。
長毛種や高齢猫と書いてあるサイトが多かったのですが、我が家の猫は
- 雑種の短毛種
- 3歳
- 病歴なし
長毛種でもなく、子猫でも高齢猫でもなく、短毛で元気いっぱいの若者です。
うちの猫は毛玉が原因でしたが、異物誤飲の場合も似たような症状になると思います。しかし、似た症状だからといって、必ずしも毛玉・異物誤飲が原因というわけではありません。勝手に判断せずお医者さんの指示を受けしっかり検査をしてもらってください。
食欲不振
異変を感じたのは8月23~24日ころ。ご飯の減り方が少ないことに気づきました。
涼しくなり猫も夏の暑さの疲れが出始めたのか、寒暖差が激しいからちょっと体調を崩したのだろうと思っていました。
まったく食べないわけではなく、食べる量が減った。
トイレは大も小も出ていた(と思う。複数匹いるので量や大きさで判断)
8月27日夕方/嘔吐
黄色い液体(大量)と共に毛玉を嘔吐。毛玉が原因で食欲が落ちたのかもしれない、吐き出したから今までどおりご飯を食べるだろうと思っていました。
しかし、そのあと続けて嘔吐(黄色い液体と未消化のカリカリ)
普段あまり吐かない猫なので、何か変なものでも食べたか胃炎かもしれないと思いながら様子を見ていました。
吐き出したものを調べたわけではないので断言はできませんが、黄色い液体は胆汁だと思われます。
8月28日朝から/連続嘔吐
朝から黄色い液体(胆汁?)を連続で嘔吐。黄色い液体と未消化のカリカリが少し。毛玉や異物はなし。
この時点で、ご飯は少しだけ食べていた。水も飲んでいた。
食べる量がかなり少ない。食べたものは吐いてしまう。
寝ている時間は長いけれど、水は飲むトイレも行く。かかりつけの病院が休診日だったので、ご飯をカリカリから消化のいいウェットに変えてみました。
ウェットに変えてみても食べる量はごく少量、食べてから4時間ほど経ってから嘔吐。
トイレは、大を1回確認。
小のときにブリブリっとガスが出るような音を何度か聞いたので、お腹にガスが溜まっていたのかもしれません。
8月29日朝/胃液嘔吐
昨日までは黄色い液体を吐いていましたが、吐くものが透明で泡っぽい液体(胃液?)に変わりました。
ご飯をあげると鼻を近づけてニオイを嗅ぎ、気持ち悪そうに口をくちゃくちゃ動かすだけ。
同日午前/病院
体温は平熱。血液検査とレントゲン検査をしてもらいました。
血液検査の結果は目立った異常数値はなく、レントゲンでも異常は見つからず、原因は分かりませんでした。
金属などの異物を飲み込んでいればレントゲンに写るけれど、ヒモやビニールや毛玉はレントゲンには写らないことが多いそうです。
水分も摂れず軽い脱水症状だったので、注射と皮下点滴をしてもらい一旦帰宅しました。
気持ち悪いからジッとしていられなくて動くのか、動くから気持ち悪くなるのか、寝る場所を移動するときは口をくちゃくちゃと動かして、見るからに気持ち悪そうです。
お気に入りの寝る場所が何カ所かあるので、寝る場所を変えるときに動くだけ。
トイレは、小を1回だけ確認。トイレに行って砂をザッザッと掻いて、何もせずに出てくるという行動を7~8回繰り返しました。
ウェットのご飯なら食べてくれるかな、と思い少量を鼻先に近づけたら、そのニオイが原因でオエッとなりちょっと吐いてしまいました。(猫ちゃんごめんね)
8月30日朝/再び病院
飲まず食わずで一晩が経過し、もう1度病院へ。
28日の夜にごくわずかのウェットご飯を食べて、以降何も食べていません。
熱は平熱。異物誤飲や腸の詰まりなどの疑いがあったので、造影剤を使ってレントゲン検査をすることになりました。閉院時間まで日帰りの検査入院です。
同日夜/検査結果
閉院時間ギリギリまで造影剤の流れを見るというので、閉院時間直前に結果を聞きに行きました。
造影剤は(一部を残して)胃から腸まで流れていました。腸が詰まったり捻れたりということではなかったので一安心。
造影剤の一部が胃に残っていることから、「ここに何かがある」と。
素人の私が見ても何かがあるのは分かりました。先生は「何かがあります」としか言いませんでしたが、 長年の経験で「毛玉かな?」と思っていたと思います。毛玉か異物かハッキリしなかったので不確かなことは先生は言いませんからね。
その「何か」がある場所は胃の出口(腸のすぐ手前)この位置なら内視鏡を使って取り除くことが可能ということで、次の日に内視鏡手術の運びとなりました。万が一内視鏡で取れない場合はそのまま開腹手術になると言われたのでドキドキでした。
何も食べていない・飲んでいないため、栄養補給の点滴をしたほうがいいということで、日帰り検査入院の予定でしたがそのまま一晩入院。
そして次の日に手術。全身麻酔は去勢手術のとき以来です。
食欲不振になってから約1週間、食べ物を一切口にしなくなってから丸2日経つので、毛ヅヤが悪くなり600グラムほど痩せてしまいました。
8月31日/内視鏡手術・退院
緊急時以外は連絡はいらないと言っておいたので、夕方に迎えに行くまで特に連絡はありませんでした。 連絡がないのはうまくいった証拠。
病院へ行き、受付で開口一番「内視鏡で取れましたか!?」いきなり受付の人に聞いてしまい「あ…(突然そんなことを聞いても分からないかな)」と思いましたが、すぐに「大丈夫ですよ。取れました」と。この病院はみんな良い人で、感じの悪い人が一人もいないから少し遠いけどお世話になっています。
問題となった胃の中にあったもの。最初に書いたとおり毛玉だったのですが、特大サイズというわけでもないような?胃の出口にスポッとハマり、栓をするような形になっていたので、最初のうちは多少の水分は飲み込めていて、だんだん毛玉が固くなり少しずつ大きくなって完全にふさがってしまったのかもしれません。
猫のお腹の中のことなので、実際の経緯はわかりませんが、たぶんこんな感じでしょう。
食道のあたりに少し炎症があるけれど治療の必要はないそうです。
食欲不振の原因が100%毛玉であるとは断言できないので、 1日2日経っても何も食べなかったり嘔吐するようなら、別の問題があるから再診察。
全身麻酔はしましたが、開腹手術ではないので当日退院して帰宅しました。
8月31日/帰宅後
帰宅してすぐにトイレに駆け込んで小を済ませました。我慢していたのでしょうね。
ご飯は、完全に麻酔が覚めるまでは食べさせないほうがいいというので、もし欲しがった場合は夜の9時以降(手術から5~6時間後くらい)にあげるように言われました。
しかし、ずっと寝ていてご飯の場所へ近寄らず、水も飲まない。
何回か寝る場所を変えて動く以外は、無駄な動きは無し。
深夜に鼻先にウェットご飯を近づけてみましたが、完全無視。
水も飲まないので心配になり、鼻に水をちょっと付けたらペロッと舌で舐めましたが、水を欲しがる素振りはありませんでした。
欲しがる素振りはなかったけれど、嫌がる素振りもなかったので、ちょっと安心しました。
疲れているのは確かなので、点滴で栄養補給はしてあるし今夜は無理に食べさせる必要もないので、ゆっくり寝かせてあげることにしました。
9月1日朝/変化なし
相変わらず寝てばかりで、朝のうちは水も、ご飯も食べようとしませんでした。トイレは行きましたが大は出ません。
一晩経っても何も口にしないので不安になり、色々なサイトやブログを読みまくりました。が、開腹手術や大病をしたペットのことを書いたサイトはありましたが、内視鏡手術後の食事のことを書いてあるサイトが意外となくて、「食べない…食べない…どうしよう…」とひとりでオロオロしていました。
今になって思えば、手術が終わってから24時間経っていないので、それほど不安になる必要はなかったな…と。
同日午前/ご飯を少量
10時くらいになり、いつも食べているカリカリをお湯でふやかしてから鼻先に近づけると、少し鼻を近づけてきました。フニャフニャになった元カリカリを1粒手の平に乗せて差し出すと、ニオイを嗅いでからパクっと一口。
突然たべた!(ちょっと泣きそうになった)
1粒ずつ手の平の上で食べさせて、合計5粒食べました。
同日昼過ぎ/水を飲む
フニャフニャを5粒食べたあとまた眠り、昼過ぎに起きてくると自分から進んで水を飲みに行きました。
自らの足でご飯の場所に行き水を飲む姿をひさしぶりに見て感激!!
このあと再びフニャフニャをあげると、ニオイを嗅いで…あれ?そっぽを向かれてしまいました。
ウェットのご飯なら食べるかな?と、(水分も同時に摂れるように)ウェットご飯に少しぬるま湯を加えて、スープ状にして食べさせてみると、大さじ1杯くらいの量を食べてくれました。
3時間おきにウェットご飯を食べさせて、この日は朝から寝る→食べる→寝る→食べる→寝るの繰り返しでした。少しずつ食べてはいるものの、食べるとすぐに寝てしまう。
同日夜/毛づくろい
退院してから一度も嘔吐せず、食べているご飯も消化しているようなので、夜にウェットのご飯に少しカリカリを混ぜて食べさせました。
久しぶりのカリカリが美味しかったのか、お腹が満たされて満足したのか、口の周りをペロペロと何回も舐め(「美味しかった~」と言っているように見えた)手を舐め顔を洗い、毛づくろいを始めました。
元気がないときは毛づくろいはしなかったので、だいぶ元気になった証拠です。
トイレには何回か行きましたが、小のみで大はまだ出ていません。
9月2日朝/カリカリ
他の猫たちにあげたカリカリを、普通に一緒に食べていました(ほんの数粒だとは思いますが)、まだ早いんじゃないの!?と思いましたが食べてしまったものは仕方ない。
1時間ほど経っても吐いたり下痢をしたりしなかったので、カリカリを食べても消化系は問題なさそうです。
一度も触れませんでしたが、今回の毛玉騒動では下痢の症状は一度も出ていません。
100%カリカリに戻すのはまだ先の予定でしたが食べても大丈夫そうなので、「ウェットが多めでカリカリ少し」の7:3くらいの割合だったものを5:5か…3:7でも良いかな?と感じるくらい順調です。
おいしいウェットが癖になってカリカリを食べなくなると困るので、私としては早めにカリカリ100%に戻したいのですが、腸の動きがまだ確認できない(大が出ていない)ので様子を見ながらカリカリ100%に戻したいと思います。
9月3日朝/便が出た?
私が寝ている間にやったようで、起きるとトイレに大がしてありました。
明らかにいつもと違う黒い柔らかめの便があったので、「出たな」と思いましたが、他の猫の便もあったので、砂にまみれてどれが誰のものなのか、(早朝から便の仕分け作業をやりましたが)100%仕分けることができませんでした。
黒い便は胃から出血の可能性があるとネットで見たのですが、
- 内視鏡で見たときに炎症があった
- いろいろストレスがたまっただろう
- 100%この猫の便という保証がない
せっかく落ち着いてきたのにまた病院は可愛そうだと思い、もう少し様子を見ることにしました。
同日夜/便確保
トイレ掃除を終えたところに、ひょこっと現れトイレへ。目の前で便をしてくれたので、ザッザッと砂を掛けられる前に確保!
新聞紙の上に並べてじっくり観察しました。
- 色は普通(黒い便や血便はなし)
- 太さもいつもと同じくらい
- ニオイは、いつもより臭い…
ご飯は、ウェット:カリカリ/3:7くらいの割合で、いまもウェットご飯を食べているので、いつもとニオイが違うのは仕方ないのかな、と思っています。(かなり至近距離でニオイを嗅いだせいもある)
食欲も出てきました。水もガブガブと元気に飲むようになりました。
もうしばらく便の観察をして、大丈夫そうならカリカリご飯に戻します。
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